オンライン勉強会(2020年9月)の開催レポート#
JACSTでは、会員の経験や知見を共有するために不定期で勉強会を実施しています。 2020年9月、オンラインで3日間にわたる勉強会を開催しました。
初日のテーマは国際広報で、5件の報告があり、約40名が参加しました。 前半は英文プレスリリースを作り配信する際のポイントについて、2名の登壇者が実例を挙げて紹介しました。 後半はそうしたリリースなどの情報を配信する際に重要となる海外記者との関係構築、また海外でのイベント出展やセッションの開催について、3名から事例紹介しました。 新型コロナウイルス感染拡大でとくに難しくなった海外記者との関係構築について、どのように取り組むべきか議論しました。
2日目の25日は広報評価をテーマに4つの発表があり、この日も約40名の参加がありました。 まず、ロジックモデルに関するレクチャーがあり、広報活動を実施する際に、目的と目標を定め、結果測定と評価を行い、改善し続けることの大切さを議論しました。 続いて、プレスリリースやSNSを通じた情報発信の効果測定法を紹介しました。 最後に、サイエンスカフェをオフラインとオンラインで開催した結果の比較分析と、これらを組み合わせたハイブリッドイベントの可能性について議論しました。
3日目は、事例紹介を中心に幅広いテーマの発表が8件あり、約50名が参加しました。 今年はコロナ禍のため一般公開などの広報イベントをオンライン化した機関が多く、それらの取組みを紹介しました。 また、コロナ禍における科学コミュニケーションの変化(メディアと科学コミュニケーターの関係)についてイギリスからの報告もありました。 続いて、多くの会員が苦心するウェブリニューアルについての体験談を共有しました。 最後に、創設当初からJACSTを牽引してきた岡田会長が、公的研究機関の広報業務や広報担当者の処遇のあり方について経営陣が深く理解する必要性を論じました。 さらに、JACSTのこれまでの活動を振り返り、今後について全員で議論しました。
3日間を通して、多くの会員が本業の合間を縫って画面上に集まり、経験と知見を共有することができました。 プログラム終了後も20数名が残って意見交換を続けた日もありました。 JACST会員は、たった一人で組織の広報を担う場合や、他職種から転向するケースも多く、生の声を交換できる場を維持してきました。 これからもJACST会員が学び合い、「心のよりどころ」となるための運営を続けていこうと確認しあった勉強会でした。
プログラム#
テーマ:国際広報#
9/24(木)14:00-16:30
主催 国際広報部会
オーガナイザー/Zoom管理 和田濵裕之(京都大学CiRA)
14:00-14:30 英文プレスリリースの基礎:ライティング編(京都大学・今羽右左デイヴィッド甫)
14:30-15:00 英文プレスリリースの基礎:配信編(北海道大学・南波直樹)
15:00-15:30 海外記者との関係構築:私の経験、皆さんの経験(総合地球環境学研究所・岡田小枝子)
15:30-16:00 海外出展の実際と効果(国立天文台・都築寛子)
16:00-16:30 AAASセッション開催記(理化学研究所・フィリップス アダム)
テーマ:広報評価#
9/25(金)14:00-16:40
主催 広報評価部会
オーガナイザー・Zoom管理 南波直樹(北海道大学)
14:00-14:40 広報へのロジックモデルの導入(国立天文台/JACST広報評価部会 部会長・ランドック ラムゼイ)
14:40-15:10 プレスリリースの効果計測(北海道大学・南波直樹)
15:10-15:40 SNSの効果計測(北海道大学・グナワン アプリリア)
15:40-16:10 サイエンス・カフェ札幌|オンライン参加者の分析(北海道大学CoSTEP・奥本素子)
テーマ:事例紹介・その他#
9/28(月)14:00-16:40
主催 事務局
オーガナイザー/Zoom管理 髙橋将太(KEK)
14:00-14:20 コロナ禍のオンラインイベント:KEK編(KEK・高橋将太)
14:20-14:40 オンラインオープンキャンパスの試み(核融合科学研究所・矢治健太郎)
14:40-15:00 研究施設バーチャルツアー(東京大学宇宙線研究所・大林由尚)
15:00-15:20 学術研究発表大会の模索とこれから〜オンラインとハイブリッド(日本セラミックス協会・山口三菜子)
15:20-15:40 「COVID-19 が広報活動に与えた影響と今後の戦略へのヒント~イギリスの事例から~」(国立がん研究センター・ネフ由紀子)
15:40-16:00 ウェブリニューアル反省会〜みんなどうしてるの?(KEK・髙橋将太)
16:00-16:20 広報とキャリア構築(総合地球環境学研究所・岡田小枝子)
16:20-16:40 JACSTの13年とこれから(総合地球環境学研究所/JACST会長・岡田小枝子)
レポート担当#
和田濱裕之(京都大学CiRA)
南波直樹(北海道大学)
伊東真知子(総合研究大学院大学)
本レポートおよび勉強会での発表内容は、各会員の所属組織の見解を代表するものではありません。